私が過去に関与した事例(少しアレンジしています)をご紹介します。
依頼者の車両が直進している際に、タクシープールから出てきたタクシーと
衝突した、という事故です。
争点は過失割合でした。
相手方保険会社の主張は、(依頼者)25:75(相手方)というもの。
タクシープール=駐車場と考え、別冊判例タイムズNo.38(過失割合を定める
際に用いられる文献)の【147】図(道路外から道路に進入するため右折する
場合)を適用し、同図の基本割合20:80をなぜか5%相手方に有利に修正
した主張でした。
私が行った反論は、10:90という過失割合とするのが相当、というものでした。
タクシープールは道路であり、タクシープールの出口と、それに接する道路が交わる
地点は交差点(丁字路)になる。そして、タクシープールに接する道路は、中央線が
交差点の中まで連続して設けられているので、優先道路となり、同書【123】図を
適用して、過失割合は10:90とすべき、という主張です。
結果的に、私の主張が通る形で、10:90で合意となりました。
このような、イレギュラーな態様の交通事故は、過失割合の主張が食い違うことが
よくあります。その場合に、関連法規や裁判例などを調査するなどして、いかに
説得的な主張を行うかに注力することとなります。