交通事故の損害賠償で、後遺障害の逸失利益の請求の際には、中間利息を控除する、
ということが行われています。
この点について、これまでは、民法の条文上は明示されていませんでしたが、
2017年に成立した改正民法417条の2第1項及びそれを不法行為について準用
する改正民法722条第1項でこの点が明文化されました。
そして、中間利息控除の計算の基礎となる法定利率についても改正がありました。
現行法の法定利率は年5%ですが、改正法では、法定利率は年3%となり、
これを3年ごとに見直すこととされています(改正民法404条第2項、第3項)。
なお、中間利息控除をどの時点から行うか、という基準時については、症状固定時
とするのが、これまでの実務の大勢でしたが、改正民法でも、この点については変更
がないと考えられています。
改正民法(債権法)の施行は、2020年4月1日と定められました。
5%による計算よりも3%による計算の方が、被害者が得られる逸失利益の金額は
大きくなりますから、この点については留意しておく必要があると思います。