2023年11月29日、小林光明弁護士と松本有加弁護士が遺族代理人を務める昭島市いじめ事件に関し、昭島市いじめ問題調査委員会による調査報告書が公表されました。
昭島市公式ホームページ「いじめ防止対策推進法第28条に基づく調査報告書」
https://www.city.akishima.lg.jp/s115/020/010/080/20231128174958.html
本件は、昭島市の公立中学校に通っていた第1学年の女子生徒が、平成29年10月に自死を図り、同年12月に亡くなった事案です。女子生徒の自死に関しては、学校で行われたアンケート等によりいじめが背景にあることが疑われていたものの、学校及び昭島市教育委員会はいじめ防止対策推進法に基づく重大事態に認定せず、法に基づく調査を実施しませんでした。
このため、令和2年6月に、女子生徒の遺族は、昭島市に対し、小林光明弁護士、松本有加弁護士及び飛田桂弁護士(飛田桂法律事務所所属)を通じ、第三者委員会によるいじめ調査を行うよう申し入れました。
令和2年11月、昭島市は第三者委員会による調査を行う意向を表明しました。同時点で、いじめ防止対策推進法第28条第1項1号に基づく重大調査を実施する前提となる条例を制定していなかったことから、昭島市は、令和3年3月9日、「昭島市いじめ問題の調査に関する条例」を交布し、同条例に基づき、令和3年9月30日に委員3名を選任し、小林光明弁護士らの申し入れにより令和3年10月6日に遺族側要請の臨時委員3名が選任されました。
第三者委員会は、令和3年9月30日以降、延べ20回会議を開催し、令和5年3月29日付で「昭島市いじめ問題調査報告書」を昭島市教育委員会に提出しました。
その後、教育委員会と遺族側との間で報告書の内容や公開範囲の協議を行い、報告書の公表に至りました。
女子生徒の母によるコメントは以下のとおりです。
「 第三者委員会に丁寧に調査をしていただいたこと、関係者の方々に調査に協力頂いたことについて感謝しています。今回の報告書の内容がわかり、いじめの存在が認定されたことで改めて気持ちが整理できました。意味のある調査だったと思っています。ここまでくるのに長い時間がかかり苦しかったですが、12月の娘の命日に間に合って良かったと思っています。学校や、社会に、小さいいじめも見逃さずに対応してほしいと思います。今回問題になったSNSなどを通じたいじめは、直接的なわかりやすいいじめではないかもしれないですが、心に対する暴力であり子どもの心に及ぼす影響が大きいことを広く理解してほしいです。娘が亡くなってから、ずっと自分を責めていました。一番側にいたのに助けてあげられなかった。今もその後悔は変わりません。娘が発したSOSのサインに学校や教育委員会が対応をしていたら、結果は変わっていたかもしれない。そう思うと、悔しさと悲しさで苦しい気持ちになります。今回の報告書には教育委員会などに向けた提言があるので、二度と同じような事件が起こらないように対応してほしいと思います。」
本件に関するお問合せは、電子メールまたは電話で小林光明弁護士宛にお願いいたします。